~プロジェクト・スケジュール・マネジメント~

~Project Schedule Management~

プロジェクトマネジメントの専門家が「実務でこうすればプロジェクト成功の可能性が高くなる」という方法論やスキルなどを集めて作成された標準がPMBOK(ピ-エムボックProject Management Body of Knowledge:プロジェクトマネジメント知識体系)。今回はPMBOKにも手法が記載されている、プロジェクト・スケジュール・マネジメントのなかのスケジュール作成方法(クリティカルパス法)について少しお話いたします。

プロジェクト・スケジュール・マネジメント

プロジェクトを所定の時期に完成させることを目的としています。

プロジェクト・スケジュール・マネジメントはなぜ必要なのか

プロジェクトには完了期限があります。品質の良い成果物はもちろん必要だが、時間をいくらでも費やしていいわけではありません。
品質・予算・期限を守れてこそ、プロジェクトが成功したといえるからです。

PMBOKの手法に沿うと、プロジェクト・スケジュール・マネジメントには、以下のプロセスがあります。

    1. ①スケジュールマネジメント計画
    2. ②アクティビティ定義
    3. ③アクティビティ順序設定
    4. ④アクティビティ資源見積り
    5. ⑤アクティビティ所要期間見積り
    6. ⑥スケジュール作成
    7. ⑦スケジュールコントロール

PickUp

「⑥スケジュールの作成」では、アクティビティ(作業)ごとに、資源がいつどれだけ必要になるか、作業量や期間はどの程度かを見積り、スケジュールを作成します。
スケジュール作成の代表的な手法には以下のものがあります。

  1. ①クリティカルパス法
  2. ②PERT
  3. ③クリティカルチェーン法
  4. ④スケジュール短縮手法
クリティカルパス法
アクティビティ(作業)の順序関係を表したアローダイアグラムから、プロジェクト完了までにかかる最長の経路であるクリティカルパスを計算し、それを基準にそれぞれのアクティビティがプロジェクト完了を延期せずにいられる余裕がどれだけあるか(トータルフロート)計算します。
PERT
クリティカルパスとよく似た手法です。PERT図を作成、クリティカルパスを求めます。
PERTでは、三点見積りという、時間見積りを確立的に行う方法を用いて、全体スケジュールの所要期間を計算します。
クリティカルチェーン法
資源(人員など)には限度があるので、その資源に合わせてクリティカルパスを修正する手法。
スケジュール短縮手法
クラッシング:コストとスケジュールのトレードオフを分析し、最小の追加コストで最大の期間短縮を実現する手法を決定すること。
ファストトラッキング:順を追って実行するフェーズやアクテビティ(作業)を並行して実行するというスケジュール短縮手法

プロジェクトには様々な制約があります。
調達可能なリソース、コストなどを踏まえて、スケジュールを作成することが重要ではないでしょうか。

ここで、問題です。
図に示すプロジェクト活動のクリティカルパスはどれか。
基本情報技術者平成26年春季 午前問53

ア; A → B → E → I → L
イ; A → C → D → E → H → K
ウ; A → C → F → I → L
エ; A → C → G → J → L

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